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「飲み食い会」終了後
銀次「あー、おなかいっぱい!」
蛮 「銀次。」
銀次「なに?蛮ちゃん。」
蛮 「お前、俺の体、なにかしたか?」
銀次「うん。雷ちゃんと二人がかりで。」
蛮 「なにをした!」
銀次「んー、…ごめんなさいっ!」
蛮 「…怒らないから、何したか言ってみろ?」
銀次「まず、俺と雷ちゃんとで蛮ちゃんの体を全部スキャンして、悪くなってるところを全部みつけたの。」
蛮 「…へ?」
銀次「俺は発電機役だったけど、雷ちゃんは蛮ちゃんの肺とかにある黒いの…ヤニ?を全部分解して吐いてから、脳の血管から足の毛細血管までの良くない血とかを全部手に集めて…手首切っちゃった。ちゃんと傷ひとつなく治したけど…ごめんなさい。」
蛮 「…だからこんなに体が軽いのか…。」
銀次「体内に入っている悪いウイルスとかも全て除去しておいたから。」
蛮 「…どうしてそういうことをしたんだ?」
銀次「え…?」
蛮 「俺の体は俺のものだ。勝手にしていいもんじゃねぇ。てめぇも勝手にいじくられたら嫌だろ?」
銀次「…うん。………でもね。」
蛮 「………」
銀次「俺、誕生日プレゼント、何も考えられなかったんだ。出来るのは少ししかないし。蛮ちゃんはパチンコでいないし。…でね、パチンコ屋さんの空気とか吸って思ったんだ。「体に悪いなぁ」って。」
蛮 「…で?」
銀次「俺のデタラメ体は、ご飯食べて寝れば治っちゃう。でも蛮ちゃんは違う。…タバコ吸ったら肺が黒くなるんでしょ?頭使いすぎたらなんかすごいことになっちゃうんでしょ?…だから…だから…(ぽろぽろ)」
蛮 「………」
銀次「そう考えてたら、マリーアさんが来て、「雷帝に蛮の体を見てもらったらいいじゃない。」って言ってくれて…嬉しくなってすぐとびついちゃった。」
蛮 「…ちょっと待て。」
銀次「?」
蛮 「今、マリーアって言ったな?」
銀次「うん。それが何か?」
蛮 「結局またあのクソババアの手のひらで踊らされてたのか(がっくり)。」
銀次「ううん、違うよ、蛮ちゃん。確かにマリーアさんの話に飛びついたのは確かだったけど、雷ちゃんともおしゃべりしたかったし、二人がかりで作業するのなんてもう二度と多分ないから…それにマリーアさんにも「これ」は出来ないって言ってたから、ちょっと有頂天になってた。ごめんね。すごく悪かったよね。ごめんなさい。ごめんなさ…ひっく…ひっく…」
蛮 「(ぽん、と頭に手を置きくしゃくしゃとかき混ぜる)…悪かった。」
銀次「ううん、ううん…ひっく…ごめん…ひっく…なさい。」
蛮 「謝るな。お前は悪いことを全然していない。むしろ良いことをしてくれた。サンキューな。」
銀次「でも…勝手に体を…」
蛮 「考えてみたら、人間ドッグに行って、検査ついでに精密な手術を受けたと思えば凄まじくラッキーなことじゃねーか?」
銀次「人間ドッグ…にんげんいぬ…?前に無限城でヘンな博士が人の首と犬の胴体組み合わせて歩かせてたけど…蛮ちゃんもそうしたいの?」
蛮 「果てしなく違う!ありえねーから!こっちでンなことしたら世界を揺るがす大騒動だ!人間ドッグというのは…一日かけて、体のあちこちを検査することだ。」
銀次「ふーん。蛮ちゃん頭の犬だからばんけんだね。それともウニ犬?」
蛮 「その話はもう頭から削除しろ!」
銀次「はぁい。」
蛮 「それを受ける前の日は夜は何も食べられないし飲めないという話だ。それをタダで受けられて、なおかつ手術も受けたと。」
銀次「…そう…なるの…かな?」
蛮 「そうだ。金をいくら払っても買えない「健康」というプレゼントをくれた。この稼業、健康が資本だからな。」
銀次「うん!」
蛮 「…だから、すばるへの帰り道、せっかく健康にしてもらった体をわざわざ風邪にさらしたくない。おい、銀次、その今から首を吊りますくらい長いマフラー、ちょっと貸せ。てめぇはこれだ。」
銀次「な、なにするの……え?手袋?しかも左手だけ?」
蛮 「てめぇの無限城のお仲間の萌えだかなんだかに乗るわけじゃないが…ほれ、出来た。右手だせ。」
銀次「……うん。」
している手袋は同じ色。
長いマフラーは二人の首に。
そして握られる、暖かい右手と左手。
銀次「誕生日おめでとう、蛮ちゃん。」
蛮 「おうよ。」
街灯の光の中、黒い影のマッチが二本。それが二つの線で繋がれて。
ややあって、ちょっと太い一本のマッチになった。
離れて、マッチは二本。 目指すは寝床の車。
寝床についても同じ格好。片方は毛布をかけ、寝息は安らか。
もう一人はその姿を見ている。
「サンキューな、雷帝。」
もう「一人」の銀次。実体化できない存在。彼は「銀次を守る」だけに生まれた。それをこの為にわざわざ「本体」から抜け出すというのは、雷帝も、そして銀次にもかなりの負担をかけたのだろう。肉体的・精神的にも。
「ありがとな、銀次。」
笑った顔は、マッチの小さな火の暖かさ。柔らかさ。
「最高な贈り物だ。」
そっちを向きながら、瞳を閉じる。
すぐに眠りは訪れた。
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こちらにも表記しておきますが、携帯に対応している掲示板があります。ひょこっと感想など書いてくださると、チューペット歩き(謎)しながらフラメンコの手拍子しながら「アレ!」とフェンシングの試合開始の言葉をいうくらい大喜びします(どんな喜び方が自分でもすでに理解していない)。
上の「リンク」にもはってありますが。
へごれけーじばん(http://hegore.b.9-1.jp/)
よろしくです~。